経営の時間を作ろう
かつてないような炎天下のなか高校野球が開催される一方で、全国各地ではゲリラ豪雨で雷や冠水が続いています。台風も多く発生しており、確実に気候が変わってきています。まさに世の中は千変万化。天候のような外部環境は自分たちでは変えようがありません。
ただ内部環境は自分たちで改善することが出来ます。例えば経営者は長期的・戦略的に企業の内部環境を改善していくことが出来ます。企業の根幹をなす経営理念(考え方)と経営戦略(実践の方向性)は他人によって変えられることはありません。外部環境の変化によって戦略を変更することはあっても、それは自ら考えて変えていくものです。
経営者とは何をする人なのでしょうか。
工務店で言うと営業・設計・インテリアコーディネーター・現場監督・経理人事総務のスタッフがいますが、これらの仕事をしているスタッフは実務担当者です。銀行からお金を調達するのは経理マン・お客様から契約を頂くのは営業マン・基本プランを設計するのは設計マン。これらの実務をすべてできる人が社長なわけでもありませんし、単に社長という肩書があれば経営をしていると言うわけでもありません。少人数でやっている会社や実務好きの経営者が忙しいのは、経営と実務を兼任しているからなのです。
では経営者の仕事とは何でしょうか。かのドラッカー先生は下記のように言葉を残しています。
『トップマネジメントは何を”専管”とするかを考えなければならない。
全体を見ることができ、全体に責任をもつ者だけが行うことのできる意思決定である。第一に、事業の決定、組織としての価値観の決定である。
第二に、資金配分の決定である。第三に、人材配置の決定である。』
個人的に経営とは『まず理念を考える。事業を決める。長期的ビジョンから戦略を立てる。仕事のなかで人を育てる。資金を配分する。地域社会に貢献する。』ということではないかと考えています。中小企業経営者は実務の時間ではなく経営の時間をとるようにした方が良いでしょう。これは、『7つの習慣』でいうところの第二象限の時間を増やすということになります。
業界における相応の知識やスキルは必要ですが、それよりも経営者は会社の経営について考える時間を増やした方が会社のためになるのです。