• 2024.07.03(木)-コラム

『家業から企業へ。強小企業のススメ』

東京商工リサーチの調べによると2023年の企業倒産件数は8690件(前年比35.1%増)、負債総額は2兆4026億4500万円(同3.0%増)だったそうです。
また国内中小企業の2/3が後継者に悩み、経営者の平均年齢は60.5歳、うち8割が50歳以上との事です。事業承継も大きな問題になってきています。

『物事は引き継ぐ時が最も重要』と言われるので、経営者は継承した時点で自分がどのように次世代に承継するのかを考えていてもおかしくありません。
ところで我々の一世代前の中小企業経営者(年齢で言えば概ね70歳以上)のなかで、自分の後継者をどうするかをまともに考えていた方は非常に少ないと感じます。それ故に、オーナー色の強い企業は親族間の争いがでてきているのかもしれません。現経営者が後継者育成を疎かにしてしまうと、こういう不毛な争いを生みます。

企業のなかには大小を問わず親族経営の『家業』が残っています。大企業のなかには『大家業』があり、中小企業の多くは『中小家業』が多くあります。オーナー企業の場合事業承継には、①親族が継ぐ②社員が継ぐ③プロ経営者に任せる④事業譲渡するなどがありますが、どういう形をとるかは経営者の『経営能力・人徳』という所が大きな要素になります。

今後は企業を取り巻く環境変化もさらに激化することが予想され、もしも親族のなかに経営能力・人徳がある人財がいない場合は『社員や外部への事業承継』ということも視野に入れる世の中になるべきだと考えています。

会社は社会の公器であり、例えば創業者一族の幸せも確保しながら、『家業』ではなく『企業』としてお客様はじめ社会一般により良いサービスを提供する責務があります。したがって、経営能力のない親族に会社を引き継ぐのは良いことではありません。したがって、後継者に経営能力を身に付けてもらうということは、現経営者の最も重要な仕事だと考えいます。

『自らの経営能力を高めるために勉強をしながら、後継者となる人財を育成する。』
人材確保は中小企業の方が難易度が高い問題であるが、これはとても大切なことだと思っています。中小企業が『強小企業』へ変身するために必要なことは、まず現経営者の経営判断から始まるということを認識しておきたいですね。

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