企業情報
企業名 | 山﨑建設株式会社 |
概要 | 福井県福井市を拠点に、新築住宅事業と公共事業の両輪を手がける工務店。今回、お話をうかがった現社長の山﨑さまは事業承継をきっかけに新築住宅事業に注力。「EUGUE」「euie」という2つのブランドを立ち上げ、地域で高い支持を集めている。 |
山﨑建設株式会社
企業名 | 山﨑建設株式会社 |
概要 | 福井県福井市を拠点に、新築住宅事業と公共事業の両輪を手がける工務店。今回、お話をうかがった現社長の山﨑さまは事業承継をきっかけに新築住宅事業に注力。「EUGUE」「euie」という2つのブランドを立ち上げ、地域で高い支持を集めている。 |
「山﨑建設は昭和42年(1967年)創業の工務店。曾祖父の代からの大工で、代々建築を生業にしてきた家でもありました。私は4人兄弟の次男で、当初は会社を継ぐ気もなかったんですよ。元々、公共事業に力を入れていたこともあって、兄もそっちの方を意識していて。でも、これからの地方工務店の仕事を考えていく中で、そこに少し違和感があったんですよね。それで、真面目に仕事をしていなかった僕の方が、なぜか地元のつながりで住宅の仕事を取れるようになっていって……気づいたら会社を継ぐ流れになっていたんです」
そう語るのは、山﨑建設で新築住宅ブランドの「EUGUE」や「euie」を手がける山﨑 哲嗣さま。
ある種堅実で、パイも大きい公共事業ではなく、住宅事業を主眼に置いた裏にはどんな想いがあったのでしょうか。
「やっぱり、ダイレクトにお客さまによろこんでもらえる仕事の方が面白いし、自分の肌にも合っていたんですよね。だから、公共事業は残しつつも、新築住宅の方で、新しいブランドをつくっていくことにしました」
事業承継と共に大きな決断を下した山﨑さま。その決断を後押ししたのがSOLTの青木でした。
「事業を継ぐかどうか……これからの仕事がどうあるべきか……いろいろ考えながら、全国の工務店さんを視察していた頃、青木さんから新しくコンサルティング事業を始めるという話しを聞いたんです。青木さんは元々、工務店経営者をされていた時代から勉強会等でお話しを聞いたこともあり、以前から憧れていた存在。その青木さんに経営をみてもらえると聞いて、お願いすることにしました」
そんな山﨑さまに対して、青木はどんな支援を進めていったのでしょうか。
支援がスタートしたのは2020年の6月。青木はまず、丁寧に話を聞くところからはじめました。それは当たり前のようでいて、多くの工務店経営者が求めている「はじめのサービス」とも言えます。
「そもそも自分は、経営については全くの素人。なにか教育を受けてきたわけじゃありません。それに、自分や社内の事情も共有するとなると相談相手もいない状況でした」
こうした状況を踏まえ、青木は会社の収益改善などを進めながら、同時に、経営者自身の報酬や資産形成の考え方、社内の結束力を高める方策、中長期的な視点を持つための5カ年計画などを提案し、実行していきました。
「心強かったのは“青木さんの経験上、どうですか?”という聞き方ができること。青木さんの工務店経営者としての視点は、社内のメンバーとも、同業者とも、社外の経営コンサルタントともちがう独自のもの。客観性と主観性のバランスが絶妙で相談がしやすいんです」
設計や営業職の経験はあっても、「経営」となると、経験を積む場も機会もない。相談する相手もなかなか見つからない……そんな状況にあって、成功も失敗も身を以て知る青木のような存在は、山﨑さまにとって心強いものだったようです。
「青木さんのコンサルティングを別のものに例えるなら、登山の案内人みたいな感じ。苦しい道のりの中を一緒に進みながら応援してくれる。そんなイメージなんです」
特に社内のメンバーに自分がやりたいことを伝え、浸透させることに苦心したという山﨑さま。そんなとき、青木は幹部社員を巻き込んだ合宿を企画し、お互いが腹を割って話せる状況をつくっていきました。
「合宿って社長が号令をかけると強制したみたいになるじゃないですか。そこも汲み取ってくれて、社員たちが能動的に参加できる雰囲気をつくってくれましたね。数字上の指導をしてくれるコンサルタントはたくさんいます。でも、その数字の中にある想いや人間関係まで理解して立ち回ってくれるコンサルタントってなかなかいませんよね」
合宿では、生い立ちから遡って自らの考えを社員にさらけ出し、理解を深めていったと語る山﨑さま。その結果、これからの仕事に合うか合わないかが可視化され、共に歩んでいく仲間になっていったそうです。
数値と想い。2つの視点に立った支援の中で、山﨑さまは、特によかったと感じていることがあると言います。
「それは、“オルタナティブ・デザイン”というMISSION(企業の使命)を言語化してくれたことでした。別に、“MISSIONをつくって欲しい”とお願いしたわけではなくて、日々の対話の中で、私が無意識に口にしていたさまざまな言葉から、青木さんが“こうじゃないですか?”って言ってくれたのがきっかけでしたね」
「これってある意味、“今までとは違う価値観で、自由なデザインをしていく”という意思表示になります。私自身、おぼろげながらに考えてきたことではあったんですが、正直、 “工務店がこんなことを言っていいのだろうか?”という不安もありました。でも、青木さんは“それが山﨑さんの個性だし、いいと思いますよ”と言ってくれて、それが自信にもつながって」
このMISSIONをきっかけに、経営者としての生き方が明確になり、採用でもイメージに近い人材と出会えるようになったとも話してくれました。
「“成功したら先代のおかげ。失敗したら跡継ぎのせい”なんてよく言いますけど、実際、後継者って損な役回りだったりするじゃないですか。自分の仕事の評価軸がなかなか持てないし、会社のあるべき姿を数字と言葉で表現する術もなかなか見つからないのが現実だと思います」
山﨑さまの言うように、これは多くの工務店経営者、特に事業承継を経験した方が抱える悩みと言えるでしょう。この悩みを山﨑さまはどう克服したのでしょうか。
「青木さんと出会ってから、その状況が大きく変わったと感じています。一歩ずつですが、会社が上手くいっている実感が持てていますし、社内の人間関係もよくなっています。青木さんは “正解”を提示してくれるわけではなくて、経営者が考えるべきこと、とるべき行動をそっと示してくれる存在。だから、一緒に成長できるんです。“困ったからお願いします”じゃなくて、“青木さんに認められたい”“じゃあ、今自分は何をすべきだろうか?”っていう指針が見えて、より能動的に考え、動けるようになったことが大きな変化なのかもしれませんね」
そう語る山﨑さまの眼差しは、力強く、前向きなもののように感じられました。
最後に、山﨑さまに、同じような悩みを抱えている工務店経営者に向けてメッセージをお願いしました。
「悩みがあるなら、何か試していくしかありません。失敗したとしても、それも糧になることを青木さん自身が体現していますよね。だから、まずは一歩目を踏み出してみることが大切。そのパートナーとして、SOLTの青木さんはうってつけだと思います」
山﨑さまの言葉通り、経営に正解はありません。それでも、自分なりの正解を導き出して、前に進もうとお考えの方は、まずは頭の中にある「悩み」を話して、一緒に整理できるパートナーを探してみるといいのかもしれません。
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