企業情報
会社名 | 株式会社 アート・宙
|
概要 | 「家をつくる、暮らしを紡ぐ。」というコンセプトを掲げ、三重県四日市市を拠点に地元・熊野の木材を使ったデザイン性の高い住宅を手がける工務店。近年は自社オリジナルのセミオーダー住宅「Triple」も展開している。 |
株式会社 アート・宙 様
会社名 | 株式会社 アート・宙
|
概要 | 「家をつくる、暮らしを紡ぐ。」というコンセプトを掲げ、三重県四日市市を拠点に地元・熊野の木材を使ったデザイン性の高い住宅を手がける工務店。近年は自社オリジナルのセミオーダー住宅「Triple」も展開している。 |
「アート・宙の創業は平成15年(2003年)。あるハウスメーカーで仕事をしていた妻の父が、そのハウスメーカーの成長と共に、次第に自分がやりたい、地元・熊野の木を使った家づくりができなくなっていって、独立したのがはじまりでした」
そう語るのは、アート・宙の現社長を務める小椋 翔さま。アート・宙の根底には先代社長の強い想いがあることがうかがえます。そんなこだわりを貫くことでアート・宙は地元での認知を高め、徐々に成長していきました。しかし、時代は流れ、市場も変化し、事業承継の時期が迫っている中で、さまざまな課題も出てきました。
「先代社長の娘である妻と結婚して、私が事業を継ぐことは決まっていたのですが、私自身、設計の仕事をしてきた人間で経営のことはわかっていない状況。加えて、先代社長の家づくりへの想いも強くて、意見が上手く合わない場面が増えていましたね」
そんなタイミングでコンサルティングのご提案をしたのがSOLTの青木でした。
「相談をはじめたのは2021年の7月から。ちょうど事業承継する約半年前というタイミングでした。青木さんは先代の時代から同じ工務店同士のグループをつくり勉強会や情報共有をしていた間柄。工務店経営者だったことも知っています。工務店の内情への理解も深くて、事業承継の支援経験も豊富。“頼もしい人が来てくれた”と期待していました」
小椋さまが期待をよせてくださっていたのは、青木の経歴や視座。自身も工務店の経営者を経験して、そこで培った知見をコンサルティングに活かすというスタイルは、小椋さまの目にはどのように映っていたのでしょうか。
「実は以前にも経営コンサルタントの支援を受けていた時期があったんです。でも、彼らは“経営”のプロであっても、“工務店”の専門家ではないんですよね。数字を見ながら、やるべきことを示してはくれますが、こちらの事業への理解が浅く、あまり効果を感じることができなくて。でも、青木さんはこちらの抱えている状況をしっかりと把握してくれて、話を聞いてくれる。それだけでも気持ちがスッと軽くなるのを感じました」
青木が真っ先に着手したのは事業承継にまつわる課題の整理と解決。先代社長からは「支えてやってくれ」と託されたものの、依然として強い影響力や思い入れがある状況。承継する小椋さまが娘婿であるという立場も鑑みながら、双方の意見を丁寧に調整していき、夫婦二人三脚での事業承継を進めていきました。
「先代社長、つまり現会長には、これまで培ってきたものがあり、こだわりも強かった。だから、こちらがやりたいことをなかなか理解してもらえない場面もありました。でも、青木さんが間に入ってくださることで、いろいろなことがスムーズになったと感じています」
青木がアート・宙に対して進めていった支援は事業承継だけではありません。中長期計画(5カ年計画)、月次の予実管理、新人研修や社員研修、商品開発など多岐にわたります。
「青木さんの支援を受けていて、まずよかったと感じるのは、課題が目に見えるようになったことだと思います。定例会議の際は毎回、“今回の献立”みたいな感じで、タスクを整理してくれるんです。どこから手をつけていいのかわからなくなりがちな“抽象的な悩み”が、“具体的な課題”になっていく。経営面だけじゃなくて、精神面でも大きな支えになっていますよ」
そう語る小椋さまの明るい表情からも、支援の効果を感じることができました。多くの工務店が抱える課題……その一つは、解決の糸口がない“悩み”を、解決できる“課題”にできていないこと。その難しさを身を以て知る青木だからこそ大切にしているコンサルティングの基本が、そこにありました。
もちろん、青木はメンタル面だけでなく、事業面でもしっかりとサポートを進めていきました。その一つが、自社オリジナルのセミオーダー住宅「Triple」の開発です。
「住宅の原材料費高騰もあって、客層が大きく変わっていく時代だからこそ、アート・宙が培ってきた家づくりの裾野を広げたい。そんな思いから規格住宅の開発をやりたいと思っていました」
そう語る小椋さん。青木もまた、集客や収益の側面から新たな商品バリエーションが必要だと感じており、「Triple」の開発を開始しました。
「でも、会長のこだわりが強くて、なかなか受け入れてもらえない場面もあって。そのたびに、青木さんには力を貸してもらいましたね」
共に試行錯誤を重ね、会長とのやりとりも進めながら、「Triple」は無事にリリースへ。そのコンセプトやクオリティが評判となり、現在、堅調な売れ行きを見せています。
事業承継から商品開発まで。さまざまな面で支援させていただいたアート・宙。支援開始から数年経った今、小椋さまはどんな変化を感じているのでしょうか。
「経営理念を一緒に考えてもらったことは自分の中でも大きかったですね」
「これが言葉にできたから、家づくりだけでなく、衣食住……暮らし全般を手がけていきたいという想いが明確になりました」
そう語る小椋さまにとって、SOLTという会社、青木というコンサルタントはどんな存在なのでしょうか。
「固い言い方をすれば、“経営の指針”を示してくれる存在。でも、もっと感じたままに言うなら、“面倒見のいいお兄さん”みたいな存在。“こうじゃなきゃいけない”みたいな思い込みを外して、自由に考えることの大切さを教えられたと思います」
最後に、小椋さまが今何を感じ、何を思っているのかをうかがいました。
「青木さんは漠然とした悩みの相談から、計画、実行までずっと一緒に考えて付き合ってくれていて。それが本当に力になっていますし、自分自身も成長できたと思います。もちろん、アート・宙が抱える課題はまだまだたくさんあります。でも、それが一つひとつリストアップされて、優先順位がついたタスクになっていて、一歩ずつでも前進していることがわかるようになった。だからもう、以前のような不安はありません。もっとビシビシ厳しく指導してもらいたい……なんて、妻とも話していますよ」
小椋さまが抱えていたお悩みは、多くの工務店にも通じる部分が多いはず。「何から手をつけていいかがわからない……」 。そんな風にお悩みの方にとって必要なのは、その悩みを理解して、整理して、可視化しながら、解決までの筋道を描く存在なのかもしれません。
その他のクライアントボイス