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COLUMNコラム

〇高いレベルが求められる家造りと減少する現場監督

住宅工務店業界では以前と比べて相当に高いレベルの住宅品質や顧客対応を求められるようになった。ここ20年では品確法にはじまる瑕疵保証や性能表示制度など法改正・法規制が進み、より高度な建築知識や技術力が求められる状態になっている。これに対して特に小規模の地方工務店では設計面などで外部の力を借りなければ建築が出来ないなど自社のみで対応が難しいケースも見られる。

多くの工務店では、経験豊富なベテラン社員が退職期を迎えており、現場を仕切っていた優秀な現場監督が第一線を離れている。退職しないケースもあるが大抵はアフターメンテナンスや積算に回る形であり、技術指導や全体の仕組みづくりをするケースは少ない。能力の高い職人さんの数も減っているのだろうが、このようにして現場監督も確実に減っているのである。転職市場における現場監督の価値が相当に上がっている事からもよく分かる。

小規模の工務店になればなるほど現場監督の俗人的なノウハウや人柄によって現場が仕切られていた。つまり社内にノウハウが蓄積されないままにベテラン社員が退職し、そのうえ家造りにはさらに高い技術力を求めらる時代に突入しているのである。一定の規模であれば会社として現場ノウハウを体系化している工務店はあるものの、家造りの難易度向上と相反する現場力の低下は今後大きな問題となると予想している。

〇現場監督不足と職人との関係逆転

前述のとおり現場では慢性的に現場監督が不足している。職種上人材育成に時間がかかる事や、同じ技術職でも設計職の方が働き方スマートに感じる事などが理由だろう。現場監督の仕事はやり甲斐があるが、厳しい。家造りの最終段階において、営業~設計段階で曖昧になっていた事をすべて明確にしなければならず、場合によってはクレームを一手に引き受ける場面すらある。お施主様に対しても、協力業者に対しても尻拭い的な役割を負わされたとしたら、確かに割に合わない仕事になっているのかも知れない。

また、過去見られたような現場監督・経営者と協力業者とのつながりが薄れているようにも思う。特にコロナにおいてコミュニケーションが限定され、人間関係を構築する機会すら失われている感がある。加えて職人の数は減少すると言われている。すでに基礎工事・大工工事・左官工事などの協力業者が足らずに困っている工務店はとても多い。これでは元請け業者と協力業者の需給バランスが崩れる。そのうえ現場監督の対応が後手に回るような事になれば、まさに立場が逆転する。

〇解決策はあるのか

このような状況を打破するためにいくつかの施策を考えてみた。

1.現場監督の役割を分割する 五大管理QCDSE:Q-Quality(品質)/C-cost(コスト)/D- Delivery(工程・工期)/S-Safety(安全)/E- Environment(環境)のうち、Cコスト管理やD工程管理を分担する事で現場の流れをスムーズにする。(工程連絡や受発注管理業務は女性スタッフに任せる工務店も増えてきている)。

2.デジタル化の推進 デジタルツールを活用し、受発注管理・工程管理の見える化や最終図面の管理、現場とのオンライン化により現場へ行く回数を減らすなどで現場監督の業務効率を上げる。ここでは社内のデジタル化と同時にデジタル人材の育成も必要である。

3.協力業者との定期的なコミュニケーション コロナ前は月次工程会議を開催していたが今は十分に実施していないケースも見受けられる。経営トップからの定期的な連絡や面談、ZOOM会議による定期的なコミュニケーションによって協力業者からの意見を吸い上げる事もも必須である。

4.完全着工 設計段階で詳細図面が決まらないままに着工をしてしまう事は後々クレームのもとになるのだが、分かっていても工期優先で着工するケースが往々にして見られる。というか、中小工務店の大半は完全着工(最終図面確定後の着工)ができていないのではないだろうか。この状態は営業・設計担当者の生産性を低下させるだけでなく、実はお施主様のためにもならないという事をしっかり認識して進めていく必要がある。全社的にセールスステップを策定し、完全着工を目指す事が重要だろう。

5.専門業者との連携 標準納まり図の作成・性能評価申請関連一式・構造計算・システム開発業者などとの連携を強化しタイムリーに必要な知識を得ておくと同時に社内体制の構築を図っていく。

〇3~5年後の経営計画に合わせた戦略立案と足らないピースの補充

そもそもの話になるが、現有社員および協力業者の年齢やスキル、これから目指している事業規模などをよくよく検討し、これからの人口減少・住宅着工減少時代に備える事が必要なのではないだろうか。例えば5年後にどのような会社にしたいをよく考えて、外部環境をとらえつつ内部環境を整備していく必要があるだろう。

Gerhard G.によるPixabayからの画像

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